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月別アーカイブ: 2025年7月

キリシマNEWS~初めて~

皆さんこんにちは!

 

今回は

~初めて~

ということで、世界初のサッカーチームの誕生とその歴史的意義について深くご紹介します。

 

 

1862年創設、シェフィールドFCの歴史とその意義

現在、世界中に数えきれないほどのサッカークラブが存在しますが、そのルーツをたどると、ひとつのクラブに行きつきます。それが「シェフィールド・フットボール・クラブ(Sheffield Football Club)」です。


1. サッカー黎明期の背景

19世紀のイギリスは、産業革命の真っただ中。都市化が進み、労働者や学生たちの間でフットボールのような球技が盛んに行われていました。しかし当時はまだ統一されたルールがなく、学校や地域ごとに異なるルールでプレーしていたのです。

この混沌とした時代に、「共通のルールでスポーツとしてフットボールを組織化しよう」と立ち上がったのが、イングランドのシェフィールドの紳士たちでした。


2. 世界初のサッカークラブ「シェフィールドFC」の誕生

● 創設:1857年

1857年10月24日、イングランド・サウスヨークシャー州の都市シェフィールドにて、ナサニエル・クレスウィック(Nathaniel Creswick)ウィリアム・プレスト(William Prest)によって創設されたのが、シェフィールド・フットボール・クラブ(Sheffield FC)です。

このクラブは、世界で最初にアマチュアの愛好家によって設立された、組織的かつ独立したサッカーチームであり、後のクラブチーム文化の礎を築いた存在です。


3. 「シェフィールド・ルール」の存在

シェフィールドFCは、独自のルールである「シェフィールド・ルール」を制定しました。これは、

  • オフサイドが今とは違い緩やかだった

  • クロスバーではなくテープを使用

  • スローインは片手でも可能
    など、現在とは大きく異なる内容でした。

このルールは後に、1863年に設立された「フットボール・アソシエーション(FA)」による「ケンブリッジ・ルール」と統合され、現代サッカーの原型となるルールへと進化していきます。


4. 初のクラブ間試合の開催

1859年には、同じシェフィールド市内にあるハラムFC(Hallam FC)との間で、世界初のクラブ同士による試合が行われました。この試合は後に「世界最古のダービーマッチ」と呼ばれ、現在でも伝統的な対戦として知られています。


5. シェフィールドFCの現在とその評価

● FIFA公式認定の「世界最古のクラブ」

シェフィールドFCは、FIFA(国際サッカー連盟)から公式に「世界最古のサッカークラブ」として認定されています。2004年には、FIFA創設100周年を記念して「FIFA勲章(Order of Merit)」を授与され、これはかつてレアル・マドリードと並ぶ栄誉とされました。

● 現在もアマチュアクラブとして活動

現在のシェフィールドFCは、イングランドの下部リーグに所属しており、完全アマチュアクラブとして存続しています。プロ化には進まず、あくまで“フットボールの原点”としての精神を守り続けています。


6. 世界に与えた影響と象徴性

シェフィールドFCの存在は、単に最初という記録にとどまりません。

  • クラブ制度の始まり

  • 独立したチーム運営

  • 公平なルールづくりへの貢献

  • サッカー文化の地域定着

これらの面で、後のマンチェスター・ユナイテッドやバルセロナ、ACミランなどの名門クラブの原型とも言える存在なのです。


「最初の一歩」が世界を変えた

1857年に誕生したシェフィールドFCは、サッカーというスポーツを「組織化された競技」として確立するための歴史的な第一歩を踏み出しました。クラブとしての自立、ルールの策定、チーム対戦の文化それらすべては、この小さなクラブから始まったのです。

サッカーが世界中の情熱を呼ぶスポーツに成長した今こそ、私たちはそのルーツであるシェフィールドFCの存在と精神に敬意を払い続ける必要があるでしょう。

キリシマNEWS~ルーツ~

皆さんこんにちは!

 

今回は

~ルーツ~

ということで、サッカーの起源から現代に至るまでの流れを、歴史的視点から丁寧に振り返ります。

サッカーは、現在200を超える国と地域で愛されている世界で最も人気のあるスポーツです。その歴史は数千年にわたっており、単なる娯楽にとどまらず、文化、政治、経済にも深く影響を与えてきました。


1. サッカーの起源:古代から中世へ

サッカーに似た競技は、古代文明にも存在していました。

● 中国の「蹴鞠(しゅうきく)」

紀元前2〜3世紀の中国(漢代)で行われていた「蹴鞠」は、現在のサッカーに似たルールを持っており、軍事訓練の一環としても用いられていたと記録に残されています。鞠(まり)を蹴って決められたゴールに入れる競技で、当時の上流階級に親しまれていました。

● 古代ローマの「ハルパストゥム」

ローマでは「ハルパストゥム」という球技が存在しており、手と足の両方を使う激しいゲームだったとされています。これは今日のラグビーやアメリカンフットボールに近いものとも言われます。

● 中世ヨーロッパの「フットボール」

12〜13世紀のイングランドでは、町と町で対抗して行われる暴力的なフットボールが盛んでした。参加人数やルールに制限がなく、時に死者が出るほど過激だったため、幾度も禁止令が出されたほどです。


2. 近代サッカーの誕生:ルールの確立と競技化

現在のサッカーの原型は、19世紀のイギリスで確立されました。

● パブリックスクールとルールの整備

1800年代初頭、イギリスのパブリックスクール(私立の名門校)では、学校ごとに異なるフットボールのルールが存在していました。これを統一する必要性から、1863年にロンドンで「フットボール協会(The Football Association)」が設立され、初の公式ルールが定められました。

このとき、「手を使う」か「使わない」かで意見が分かれ、最終的に手を使わないサッカー(アソシエーション・フットボール)と、手を使うラグビー(ラグビー・フットボール)に分かれていきます。


3. 世界への広がりと国際化

● 植民地政策とともに世界へ

イギリスの貿易・植民地拡大とともに、サッカーは19世紀末から南米・アジア・アフリカなど世界各地へ広まっていきました。特に南米では、アルゼンチンやブラジルで独自の進化を遂げ、世界的な強豪国へと成長します。

● FIFAの設立と国際大会の始まり

1904年、国際サッカー連盟(FIFA)が設立され、国際的な統括がスタート。これにより、各国代表チーム同士の対戦や、世界大会が開催されるようになります。


4. ワールドカップの誕生と世界的ブーム

● 初のFIFAワールドカップ(1930年)

ウルグアイで開催された第1回FIFAワールドカップは、サッカーの国際大会として大きな注目を集め、以降4年に1度開催される世界最大のスポーツイベントとなりました。

● 第二次世界大戦とサッカー

戦時中は大会中止を余儀なくされるなど、サッカーも社会情勢に大きな影響を受けました。しかし戦後は、平和の象徴としての役割も担いながら、世界中の人々を魅了し続けています。


5. 現代サッカーの進化と影響力

● 技術と戦術の進化

現代サッカーは、戦術・フィジカル・分析技術の発展により、極めて高度で戦略的なスポーツに進化しています。AIやGPSを用いたパフォーマンス解析、データドリブンな指導が一般化しています。

● 経済・文化への影響

  • プロリーグの発展(プレミアリーグ、ラ・リーガ、Jリーグなど)

  • 選手の市場価値の高騰(例:メッシ、ロナウド、ムバッペ)

  • サッカーが観光・メディア・ファッション業界などにも影響を与える存在に

  • 子どもたちの教育や国際交流におけるスポーツ外交の一翼も担っています


サッカーは「世界をつなぐ共通言語」

サッカーは、古代から現代に至るまで、時代や地域を超えて人々に愛されてきました。その理由は単に「ボールを蹴る」楽しさだけではなく、共通ルールのもとで、誰もが平等にプレーできる自由さと奥深さにあります。

そして今後も、サッカーはただのスポーツではなく、教育・平和・経済・社会貢献など、多様な分野でその影響力を発揮し続けるでしょう